2009年3月26日木曜日

ロシナンテ社から

2009年3月も月末です。昨年10月よりお願いをしていました融資は、219万円の応募を頂戴しました。本当にありがとうございました。とりあえず3月31日で終了させていただきます。2011年4月からの返済開始となります。詳しいことは、随時、ご報告させていただきます。ご融資を頂いた方には重ねて御礼申し上げます。ただただ感謝です。 
現在のところ、「月刊むすぶ」の今年一杯の発行資金は、ほぼ目処が
立ちました。気を抜かず日々、仕事をこなせば何とか喰えます。ただ定
期読者の増加が、中々、実現しません。ここ5年は、購読代の集金等の
地道なロシナンテの伝統的な手法で読者数を1200軒前後、定期委
託・書店委託約300冊を維持してきましたが、正直、団塊の世代の定
年等で読者層の若返りが急務になってきています。しかしこれが難かし
い!まだまだ暗中模索です。
 単行本発行は、昨年4月の「川辺の民主主義」以来、一年ぶりに2冊出版できそうです。1冊は、エコキュートや風車などの低周波音被害の報告。もう1冊は愛媛県・肱川のダム問題についてです。後者はなんとか地元・大洲地方で500冊は広めてもらう予定です。初版は、1200冊の予定です。それ以外での販売がかなり厳しいです。ご協力を!低周波音被害については、今回は書店を中心の営業となります。これもなり大変!半年で経費分を回収できればと考えています(発行のための資金は、4冊程度確保できました)。他、順次、発行予定です。
 
一年後には、「月刊むすぶ」と単行本1冊/月の予定で考えています。
もちろん書店流通で回せていける程の自信はありません。書き手を中心に買取、販売協力をいただいての共同作業です。
 それに本が、ホントに売れない時代です。
 ロシナンテ的出版は、平場の声、マスコミが置き去りにしそうなそんな発信を丁寧につなでいくことだと思います。ロシナンテふうもやいなおし。よろしくお付き合いくださいませ。

お願い

①定期購読をして下さりそうな方、ご紹介ください。見本誌を送ります。
②使い損じの葉書、テレホンカードなどもお分けください。嬉しいです。
③集会等、何かあれば教えてください。行商に出かけます。
④自費出版などもご相談ください。費用に合わせて企画させていただきます。アットワークスとの共同作業です。
⑤単行本「川辺の民主主義」まだまだ残っています。この本を広めるのにお力をお貸しください。1500円+税です。ロシナンテ社へ直接ご注文いただいた場合は、送料はなしです。

連絡先
〒605-0974 京都市東山区泉涌寺五葉ノ辻町28
ロシナンテ社・しかたさとし
電話・FAⅩ 075(533)7062
携帯電話 090(5642)2308
E-mail musub@big.or.jp
http://www9.big.or.jp/ ~musub/

2009年3月25日水曜日

ロシナンテニュース

月刊地域闘争の復刻判CDを販売します。
「月刊地域闘争」は1970年10月号が創刊です。
 創刊号から6号をCDにPDFファイルとしてまとめています。1枚=3000円(予定)です。
 夏までには出来上がります。是非、保存用資料としてご利用ください。
 1970年代初頭の住民運動の息吹が伝わってきます。
 39年まえがどんな時代だったのか?
 時間の重みの中をロシナンテ社は歩んできました。
 CD化の作業は、ワークス共同作業所と連携して取り組みます。売上の3分の1が、作業所に入ります。
 少しずつの取り組みになりますが、80年代までを3年掛けてまとめるつまりです。是非、日本の住民運動の貴重な資料として運動の実践、研究などにご活用ください。
 
連絡先
 京都市東山区泉涌寺五葉ノ辻町28  ロシナンテ社 
 電話・FAX 075(533)7062
 E-mail musub@big.or.jp

2009年3月24日火曜日

今日の夕食は何にしますか。

 「今日の夕食は何にしますか。」
 「冷蔵庫にさんまのひらきがある」とアケミがいう。
 「じゃ、それと大根おろし、あとは適当に味噌汁ですね。」浩一は続ける。
 「7時に、圭ちゃんがトイレ介護にくるから。」
 「食事の準備しながらトイレの話しはやめなさいよ!」と少しろれつが回らない調子の声が飛ぶだす。「これは失礼…」
アケミは、障害からくる体の緊張を解くために昼間から酒を飲むことがしばしばある。それかなり度数の高いアルコールをストローで一気飲みする。
 食事を作りながら二人は、四方山話を続けている。
「ちょっと体を上げてくれる」
「はい、はい」
車いすの後に回り込み、脇の間から腕をアケミの体に回し込んで小さく「ヨイショッ」といいながら浩一は引き起こす。
 「最近、河田くんさ、あんまり介護に入ってくれないんだ。何かあったのかなぁ」
 「実験が忙しいのじゃないかな。彼は生物だから、実験に時間が掛かるからね。それにゼミ生になるとレポートだけでも大変ですよ。」
「そうっか。」と抑揚のない声。
「何の実験?」
「実験というより観察?一日、森の中で菌類か苔かしらないけど地べたに這いつくばって見てるらしいですよ。」
「こんばんは!」
 圭子が、部屋に入ってくる。外は雪が降っているようだ。まだはらい落とし忘れた雪が頭に残っている。
「雪が降ってきましたね。」
「節分だから吉田神社の前は人で一杯。少し遅れました。スイマセン。」
ダウンジャケットをハンガーで壁に吊るしながら彼女は言う。 
 「トイレいいですか?」
 「圭ちゃんお願い」
 浩一は部屋の外に出る。
 アケミの住まいは、町の中心から阪急で一〇分くらいのところにある公団。そこの一階に段差のない住宅が一定数確保されている。そこに障害者枠で入居して5年になる。一〇階建ての建物が何棟も建ち並んでいる。

2009年3月23日月曜日

ロシナンテ四方山話

「この湾を埋め立てるな!」と反対する地元住民の監視小屋のそばに日の丸が風にはためいていた。湾を埋めたてて、自衛隊の基地を誘致する計画がある。潮風に泳ぐ日の丸は元気一杯だった。
一方、東京や関西などで卒業・入学式の日の丸・君が代に教職員が、不起立で意思表示をすると「処分!」となる。
信じられないことに、ちゃんと学校で式が進行しているかを監視する人たちがいる。オイオイ、自警団かよ!多様性が認められない。それがこの国、日本だ。
それならいっそのこと「式」を止めてしまうのもよかろうに、と思う。すくなくとも公立校は、全ての人に開かれるべきもの。押し付けられる日の丸・君が代で混乱するくらいなら儀式など不要。
国家に「日の丸・君が代」で一括りされたくない。その変わりいろんな「日の丸・君が代」があってもいいだろう。しかしボクは、「君が代」に生きているのはない。私の世に生きている。もっと「日本人」は多様性を認めてもいいものを、と思う。
天皇教として民営化してもらって、日の丸はその宗旗。君が代はその宗歌。そういうわけにはいかんのだろうか。
結局、戦争の加害者責任を十分に論議することなく、戦後の経済的な復興を果たしてきたそのツケが今負債となって目の前にある。お金は大事だが、それだけでは堕落する、と思う。
ところが戦後64年ともなると「無責任」というのが、ボディブローのように効いてくる。その痛みを、記憶の底に沈殿させ、「美しい日本」が登場する。「海外派兵もいいじゃないの」。そんな雰囲気が蔓延してくる。これが今の日本らしい。

「美しい国」の次も政治家を家業にしている人が政治もトップにつく。今の人は漢字の読みをよく間違える。何かとんでもない思い違いと劣等感を体中にまとっている。こうなるととても政府なんて信用してはいられない。というより怖い。景気だって悪い。どん底だ。(本が売れん!)
国会議員は、庶民の生活など全く分からない奴ばかり。あとは、自己防衛しかない。こうなると、庶民は自前の共同体作りに励むしかない。
まず農業者と仲良くなり、食料を確保する。できたら日々の野菜くらいは、自給できるようになりたい。しかし百姓になる根性がないボクなんかは、「ロシナンテ的ネットワークを構築するぞ!」なんて言いながら生きていくしかない。
Hさんというカウンセリングを生業にしている人がいる。彼から見るとボクの生き様は、山頭火みたいなものらしい。かなり外れていると思うのだが…。
さて社会的な回路は、いろいろあった方がいいに決まっている。ロシナンテ社は、この社会のささやかな末梢神経の一つなんだろう。免疫力を高める神経のひとつなんだと思う。少なくとも世の中のがん細胞ではないはずだ。
 国家・行政とは、遠いところに私たちの共同体を作る。自立した生活の場を営む。地域で自給的な生活を始める。食べ物は地産地消の実践。もちろん原発の電力なんか必要としない自治体レベルで管理できるエネルギーシステムが維持・運営されている。そこから自立が始まる。
 しかし今度の冬は、本当に暖かだった。
寒い冬がいい!演歌に歌いこまれるああいう冬がいい。冬はとにかく寒くなくては駄目だ!
(しかたさとし)