2009年7月15日水曜日

民主主義は川面に浮かんでる?

その昔、川と人は共生していました。そしてその流域には民主主義が根付いていたのです。人々は洪水を当然のこととして、生活の場で川をなだめる知恵を培っていました。それが流域住民が、長い経験で助け合うために形作ってきた民主主義なのです。
ところが、あるときから自然を力ずくで押さえ込むことが一番!となりました。いつしか岸辺はどこもコンクリートばかり。上流にはダム、ダム、ダム・・・。そんな風景があたりまえになりました。
愛媛県東部・大洲市。肱川にまとわりつくように歴史を刻んできた町です。この肱川上流には既にダムが2つあります。その結果、水質は確実に悪くなり、住民は天然の鮎の肉質まで不味くなったといいます。川底に泥が堆積してコケがはえなくなり、鮎は成魚になってもユスリカなどの幼虫を食べるようになりました。つまり肉食になったわけです。
そんな肱川に新に山鳥坂ダムの建設が進められようとしています。国土建設省は、水害対策、県都・松山市の渇水対策だとその目的を次々に取り繕います。ご多分にもれず大洲市も財政がかなり逼迫してきています。その市に県や国交省はそれなりの負担をダム建設に対して求めています。水害に対しての効果も十分に証明されていない。その上、地元に巨額の経済的負担を求める。このダム建設は一体、何?利権の臭いがプンプンする。
流域住民は立ち上がりました。住民投票も求めました。しかし市議会は否決。それでもいろんな方法で住民の皆さんは声を出し続けました。そんな中、今年1月、大洲市会議員・有友正本さんは立ち上がりました。磐石の体制を固めた現職に対して泡沫よばわりされながらも市長選挙に立ち上がったのです。結果は惜敗。短い選挙準備期間。それでも900票まで迫ったのです。
住民は声を出したいのです。地域のいろんな決定の場に当たり前に参加したいのです。
今、私たちは、参加するシステムを奪われてしまったのです

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