2008年7月24日木曜日

問わず語り③ その1

集会での販売は気合です。
「とにかく買え!この野郎!」くらいの怨念?情念?をお腹に溜め込んでバーッとやらないと売れない。
特に「月刊むすぶ」なんてのは地味な雑誌なわけだから…
 十年以上前、駿河台の明治大学で入管の集会をやっていたことがある。絶滅危惧種のようなヘルメット姿の人たちが存在する。そんな空間である。
 とにかく京都から夜行バスで登場である。
何だかんだで場所確保。
 午前中からのスタート、
狙い目は開場30分と昼休み。そして午後の中休み。終了時は意外にうれないものだ。
 体中からオーラ湧きでる。ということだが、かなりの小心者。そんなに大きな声は出せない。というよりでない。それでもチラシを撒きながら参加者の足を止める。足が止まったら、まず相手の目をみる。いや睨みつける。できるだけ優しく?そしてたどたどしく雑誌の説明を始める。
「1970年創刊です。各地の草の根の住民運動、市民運動の現場の声を集めてきました。書き手は日常の中で現実に関わっている人にお願いしています。決してジャーナリストや評論家にかいてもろうわけではありません」
その間、右手で「月刊むすぶ」のページをめくっていく。左手はチラシを撒いている。
その間、相手の目を見続ける。
「1冊800円!」
こんな感じでとにかく売り飛ばす。
じっとしていても売れるわけではない。
少なくともこれでご飯を食べているんだ!このときは160冊売った。

そのうち「月刊むすぶ」だけを机に並べて売ることの限界を感じるようになった。そこで他社の単行本を売ることにさせていただくことになる。少なくとも他社の本は、装丁からしてちゃんとしている。キレイだ。いろんなことを学んだ。そして他社、つまり普通の出版社の仕事ぶりを勉強するよい機会になった。
今、アットワークスと組んでとにかく5冊、単行本を出した。この経験が少しは生きていると思う。しかし儲からない。中々人並みのなれない。

僕らが取り組む企画は社会問題がそのテーマの場合がほとんど。社会問題は売れないというのが当たり前になってしまった。それを売るのがこちらの仕事。

「ここに並んでいる本は売れません!街の本屋ではめったに売っていません。」
「月刊むすぶ、これを置いてくれる本屋なんかありません。今日、買わなかったらもう2度と手にすることはありませんよ」

並べ方にも工夫はある。まず売れそうなものを平積みにする。それの部数がある場合は、机のセンター、左右の端に積む。それだけ視覚的に目立つ。一日の販売の最初と終わりではかなり並べ方が変わってきている。集会売りは進化するのである。

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