2008年7月28日月曜日

問わず語り③ その2

集金は切ないもの

「月刊むすぶ」の購読代は8400円。月700円である。もう十九年間値上げせずにきた。この8400円をボクは集金して回る。まあ本人が来て「是非、ご継続をお願いします」と来るわけだからそれなりの小さなドラマがある。
 市民運動の業界では中々の有名人のお連れ合いが購読してくれていた。その仕事場に冬の寒い時期、集金に伺った。
 前回は頂戴できた。ところがこのときは失敗した。どうも若い子を働き手としてつなげずにいるロシナンテ社に不満があるようだ。しかし給料も満足に払えないのに人を雇用するのはそれは犯罪ですよ。とボクの言い分。
まあ前回の集金の際、彼女の姑さんの話まで持ち出してお願いしたわけだから今回は厳しいなぁとは思っていた。
 こういう場合は、素直に「ありがとうございました」と頭をさげて早々に引き上げる。ところがこのとき、彼女はボクが去るよりもすばやく事務所の奥に引き上げた。 
 お金を頂戴するというのは、本当にむずかしい。いろんな人に嫌われる。
しかしこれくらい泥臭くやらないとロシナンテ社はご飯が食べられない。
 誰もが黙っていても買ってくれる雑誌にすればいいじゃないかとご批判もあるかと思います。じゃ聞きたい岩波の「世界」はどれくらい売れているか知っていますか?「週刊金曜日」の実売数はわかりますか?
 多分、驚くほどの部数しかうれていません。大きな書店で「世界」や「週刊金曜日」の売れ具合を確認してみてください。
 開き直るつもりはないが、イエイエ、開き直ります。今回は開き直ります。失礼な物言いだとは重々承知の上で言わせてください。それほど厳しい状況に私たちは置かれています。
 本当にこの日本社会の対抗文化を支える気があるなら「世界」「週刊金曜日」そして「月刊むすぶ」くらい購読してください。本当にお願いします。
 半分泣き落とし。焼きが回ったか。
 食べ物の美味しさは、かなり共通したものがあります。しかし本はそういうわけにはいかない。いろんな考えが皆さんにある。それをネットワークするのがロシナンテ社だと思っている。
しかし厳しい。難しい。

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