2008年3月3日月曜日

行商日記①

 2月29日→3月1日。夜行バスで新潟.。駅前に早朝7時過ぎに到着。ダム問題の権威・大熊孝さん(新潟大学教授)の退官記念最終講義に参加。500人余集まる。この3月末に「川辺の民主主義」という単行本を出す予定。大熊さんにも書いてもらうのでまずは挨拶。そしてその営業を兼ねての出席。
 まだ時間があるので、駅の待合室ですごす。持参の弁当を食べる。新聞を読む。ボーッとしている。この時間が一番いい。
 9時近くなったので、駅から歩いて10分ほどの距離にある中央郵便局へ出かける。今度、出す単行本のゲラを3人の方々に送っておく。
 「ルポ貧困大国アメリカ」を読む。貧しさが収奪されるために存在することを教えてくれる。労働すべてが、ローンの返済に向けられ、そして生活困窮者へのサポートに名を借りて支給される食料によって肥満が貧困者に蔓延する。そんなアメリカの現実が報告されている。
 11時近くなる。会場のホテルへ向かう。
 ロビーのソファーにじっと座り、どんな人たちが来るか観察。本の売り方を研究。昼前、主役の大熊さん登場。ご挨拶。
 旗野秀人さんも到着。三治さんと祝い歌を披露するそうだ。
 旗野さんは、30数年の間、新潟水俣病者さんの支援者として地域に根ざした取り組みをしてきた人物。実にユーモアに溢れたキャラクターだ。彼が新潟にいたことでどれだけ救われたか。映画「阿賀に生きる」の影の功労者かもしれない。
 地域で人とひとの輪を作ることの大切さを教えてくれる。「水俣病」という深刻な世界に当たり前の日常があることをぽんと世間に知らしめたそのキャラクターは、ありがたい。
 定刻どおり夕方5時に終了。
 自然科学者で市民運動に参加する人が減ってきた中、大熊さんのような方がいることはありがたかった。しかしそんな人材が減ってきているのは寂しい限りだ。
 大熊さんはダムの土木が専門。となるとこれまでの主張は限りなく、建設業界や電力会社、行政を敵に回したもの。そんなポジションの方をどうやって確保していくか。
 それもこれからの私たちの課題だろう。

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